トモオフィス/廃品打楽器協会

CAMPING 2012 6・7月号に山口とものエッセイが掲載されました

camping 山口とも
新聞・雑誌掲載
時計2012年7月1日(日)

CAMPING キャンピング 147 2012 6・7月号に
山口とものエッセイ「廃品打楽器を通じてやっていること」
が掲載されました。

▼本文より

「音楽」は人が楽しむ行為、つまり本来は用意された楽器ではなく身近にある物を叩いたり、弾いたり、こすったり、そして「楽しみ」ながら、音を出すことだったように思います。そんな現代では忘れ去られている、音楽の「原点」を不要になった物から再発見しています。

そんな物の見方を常に持っていると、自然界にはとんでもない状況で、意外な音が出ていることが数知れなくあると思います。間欠泉や溶岩流、水の流れ、海の音や風の音、どれ一つとっても同じ音がない気がしますね。

キャンプなどで、外に寝ていると本当にいろんな音がしてくるのも、楽しみの一つではないでしょうか。夏にタイのコテージで寝たときは、こんなにも虫の種類が多いのかと驚き、最初は数えておりましたが、夜も更けてどんどん聞こえてくる音の種類が変わって、だんだんうるさくなって寝られなかった覚えがあります。日本人にはカエルやひぐらし程度のほど良い感じが良いですね。

自然現象の音に近い音を探し出す。

自分がパフォーマンスで使っている「雷の音」は、地元のお祭りで口にゴムがついている物体を、子どもがヨウヨウのように振って音を出しているのをヒントに作りました。それは直径60センチほどのサイケな絵柄の風船でしたが、この音は、中に何が入っているのだろう、と思っても、中身は当然見ることができない。ためしに、自分で大きな風船に、さまざまな大きさのつぶつぶを入れてみた。大豆を入れたときにこれだ!!と発見。

「雨の音」は、アルミホイルで高さ3~40センチの滑り台状のものを作り、食卓塩を上から滑らせた時の音で作れる。または、団扇に直径1センチほどのビーズを糸で少し揺すると動くぐらいにくくりつける。そんな物も、ふと耳を澄ませると、結構それっぽく聞こえたりするものです。

自然に触れているときに自然界の本物の音を頭に入れ、何かテーマを決めて楽器を作ってみるのも面白い方法かと思います。私はどこにいてもその場の空気、音、感覚をふんだんに感じられるように心がけています。

普段生活しているときに何気なく聞こえてくる音も、聴き方によっては雑音になったり、心地よい音になったり、この音がないと安心できなかったり…。人間にとって『「無意識」に入ってきている音を「意識」できる余裕』を持てると楽しみが一つ増えるような気がしています。