トモオフィス/廃品打楽器協会

美容専門誌「Shinbiyo」に山口ともの特集記事が掲載されました

shinbiyo 山口とも
雑誌掲載
時計2010年6月1日(火)

美容専門誌「Shinbiyo」 2010 06
に山口ともの特集記事が掲載されました。

shinbiyo 山口とも

shinbiyo 山口とも

▼本文より

喜ばせる仕事
第6回 廃品打楽器奏者 山口とも

「廃品打楽器奏者」と言うと、初めは皆さん「何?」という顔をされますが(笑)、街で拾った廃品に手を加えて、オリジナルの楽器をつくってパフォーマンスをしています。もともとパーカッション奏者ですが、15年前「銀河鉄道の夜」という音楽劇に参加したとき、”音を聞いても姿が想像できない楽器”を自分でつくってみようと思いたちました。それで、身近な不用品を組み合わせて打楽器をつくったことが、この活動を始めるきっかけになりました。現在は廃品打楽器のパフォーマンスのほか、子ども向けに楽器作りの講習もしています。
音楽は音を楽しむと書きますが、僕は自分のつくった音を聞いて「気持ちいい」でも「面白い」でもいいから、一人でも多くの人に音を楽しんでほしい。興味を持ってもらいたいと思います。聞く人にとって心地よい音であれば、音程は関係ないという考えなので、楽器のチューニングもしませんし、決まった曲を演奏することもしません。演奏はすべて即興。ミュージシャンというのは、楽器を使っていかに自己表現をするかだと思うし、そのときどきの感覚で自由に演奏を変えていいと思っています。生きている人間がやるからこそライブで、毎回決めた通りに演奏するなら、コンピューターがやればいいでしょ。間違えたりズレたりするのが人間だし、僕はそっちのほうが面白いと思う。それに、そういう人間ぽい音楽じゃないと人に浸透していかない気がします。
お客さんのノリが悪い時?ありますよ。そういうときは、曲を変えたりして、自分で場の空気を変えようとしますね。ライブ中ですから、「誰々に判断を仰いだ上で」とか言ってる場合じゃないでしょ。今、自分が何をすべきか、どうすればいいか、即断を求められる機会は多いです。だから、空気を読む感覚はすごく大事。美容師さんも同じじゃないですか。お客さんが黙ってくつろいでいたいのに、どんどんしゃべりかけてくる方が時々いますけど、それって、美容室が本来お客さんに対して提供すべきサービスと逆行しているし、そういう人を見ると「ちょっと空気を読んでくれ~」と言いたくなります(笑)
僕は18歳から4年間ほど、つのだ☆ひろさんの付き人をしながら、ドラムの勉強をしましたが、技術面でも精神面でも、師匠(つのだ氏)から直接こうしろと教わったことはありません。何事も見て盗めと言われ、徹底的に師匠の動きを見ていました。するといろんなことが見えてくる。師匠が今、何を欲しているか、どうしたいのかもわかるようになって、先回りして動くようになりました。空気を読む力を養うなら、自分が進みたい世界で成功している人とか、職場の尊敬する上司、先輩のやり方を見て盗むのが、やっぱり一番です。もし、こうなりたいという夢があるのなら、自分は今、その夢を叶えるためにここにいるのだという意識を、常に忘れないことでしょうね。そうすれば自ずと、自分がすべきことが見えてくるはずです。具体的なビジョンを持って臨めば、どんなことにもアンテナが反応して、九州するものも多いと思いますよ。

人を喜ばせるには、良い意味で裏切ることが大事じゃないかな。子どもの行動を見ていると、「おーっと、今それをやるか!?」みたいな面白さがあるじゃないですか。音楽もあれと同じで、意外性が人を楽しませ、喜ばせることにつながる。そのためには、型にはまらず柔軟でいる必要があるし、柔軟でいるためには心のゆとりが必要なんですよね。僕は「一生懸命」という言葉、何か余裕がない感じで嫌い(笑)。何事も肩の力を抜いてやっていきたいんです。
美容師さんも、もちろん余裕が大事だと思いますよ。美容師さんて、お客さんから「あなたに触られてもいい」と言われている、ある種、特殊な職業でしょ。だから、当然、余裕のある人柄が求められると思います。だって、120パーセントの懸命さで必死に対応されたら、「そんなに頑張らなくてもいいから」と、こっちが気を遣っちゃう(笑)。そういう人はきっと、自分の仕事をすることにいっぱいで、お客さんのことが見えていないんでしょう。それとか、技術的なことばかりに目がいって、人と人とが接する上で何が大事かを考えていないとか・・・・。技術を高めるより、まず人間性を大事にしてほしい。もちろん、そこに技術が伴っていれば最高だけど、人間的な魅力があれば、多少の技術の悪さはカバーできると思います。要は総合的なバランスですよね。技術だけでなく、人当たりや外見、物腰、匂いに至るまで、うまくバランスが取れていれば、たぶんその人は引っ張りだこの美容師さんでし。
僕のこの髪型?15年くらい前、ヘアメイクさんと相談して考えて以来、少しずつ進化はしていますが、基本はずっとこれです。さっき言ったように、見た目も自己プロデュースの一つの要素だと思うので、こんな髪型にしてますけど(笑)。ただ、目立つ外見をしているのに技術が伴わないのはカッコ悪いから、あくまでも、外見に負けない腕を備えていることがベースですけどね。
これからやってみたいことはたくさんありますが、一つ挙げるとすると・・・・、サーカスのテントみたいに、あそこに行くと楽しいという空間をつくりたいですね。電動じゃなくて手回しで動く遊具とか、本来ある姿のままのアナログな楽しみがいっぱい詰まっているテント。そういう人間ぽい楽しみ方が出来る場所がつくれたら最高ですね。

文:村上雅子(文坊)/写真:新 龍二(Shinbiyo)