トモオフィス/廃品打楽器協会

u-lu-la 2006年2月 No.3に山口とものインタビュー記事が掲載されました

ulula
新聞・雑誌掲載
時計2006年2月6日(月)

小児患者を診る医療従事者のためのグッドコミュニケーション誌
u-lu-la(ウルラ) 2006年2月 No.3に山口とものインタビュー記事が掲載されました。

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▼本文より

自由な発想で「音を楽しむ」

廃材(ゴミ)から創ったオリジナル楽器による演奏とパフォーマンスで人気を博しているガラクタ音楽隊「Ticobo」。リーダーである山口ともさんは「面白くてカッコイイ大人」として子ども達を惹きつけています。そんな彼の“人となり”に迫ってみました。

テストで評価されるのが嫌いだった

父と叔父、叔母が打楽器奏者で、小さいことから楽器が家のレッスン室にありました。だから、小さいことから楽器はおもちゃ感覚で触って「こんな音がするんだ」って思う毎日。

でも、小学生のとき、無理やりソルフェージュ(音楽の基礎テキスト)を習わされた時は、イヤでイヤで・・・。音楽の授業もテストで評価することに対しては「なんで?」という感じ。ずっと好きなようにやりたいと思っていました。

自分の音をもつことはミュージシャンの命

廃材を使った楽器を作り始めたのは約10年前、音楽劇に参加したのがきっかけ。「宇宙的な音を」と要求されて、即製の楽器では表現できずに考えた結果、たまたま表現できたのが廃材でした。最近は、環境イベントにも声をかけてもらっていますが、もともとは環境のために始めたわけではありません。良い音を出したい、心地よくなる音を創りたいと自分がしたいことをどんどん追求していったら、それがエコロジーにもつながっていったわけです。一度捨てられたものに命を吹き込むって楽しいですしね。

音楽は常にあるものだと伝えたい

目の前で演奏した時の子ども達の反応はすごいです。僕らがちょっと音を出すだけで、うるさかったのが“シーン”となって聴き入りますから。今はCDとかテレビでしか演奏を聴く機会がない子ども達が多いから、人間がこんなすごいことができるって目の前で見たらびっくりするんでしょう。

音楽は、音を楽しむこと。自由に発想し自由に表現するのが基本だから、難しいことを考えず、普通の日常にあるものを叩いたら、それが音楽になるんだってことを伝えたい。実際、イベント会場で「やってみな」というと、子ども達はすごく面白がって「わーっ」と叩く。すると「こんなものから音が出ちゃうんだ」って素直に感動していますね。一緒に来ている保護者も同じで、「わぁーすごい!」といった気持ちを共有するのもいい経験だと思います。

カッコイイ大人が子どもの夢を育む

僕は好きなことがたくさんあるから、煮詰まるってことはないよ。今すべきことは常に考えて、それをこなしながら自分自身の感覚を研ぎすましていれば、「次」は自然に見えてくるもの。でも現在はその感覚が鈍っちゃっている人が多い気がします。というのも、子ども達に「何をやりたい?」って聞いても、「わかんない」っていう子が多い。目標をもって何かに取り組んでいるカッコイイ大人がいないから、子どもが夢をもてなくなっているんだろうな。「あんな人になりたい」、そう子どもがあこがれる大人が増えたら世の中楽しいですよね。