日経 Kids+(キッズプラス) 2005年5月1日発行
子どもと読みたい100冊の本
「遊びのスゴ技大図鑑」で山口ともの楽器作りが紹介されています。
▼本文より
遊びのスゴ技大図鑑⑧
楽器づくり
ともともが奏でる
不思議な音
拾い集めた枝で、即席木琴
「ともとも」こと山口ともさんは、「ガラクタに命を吹き込む打楽器奏者」と呼ばれている。物を大事に使い、壊れたら自分で直すのが当たり前、流行の物を選ぶ、という人。廃品でさまざまなオリジナル楽器を作ってきた。「手作りの楽器は、ドレミの音階が出せない。きれいに調律されていない、音程の微妙なズレが”味”なんです」と、その魅力を語る。
そんな山口さんに教わって、子どもたちと木琴を作った。使うのはなんと、魚屋さんからゆずり受けた魚の箱や、拾って乾燥させた枝、工事現場でもらった廃材など。しかも、箱に木を載せるだけで出来上がり、だという。「魚の箱はとても臭い。よく洗って天日干し、これが一番」と山口さん。なんだかとても、庶民的。工事現場の人と仲良くなって角材をもらうなど、コミュニケーション力も磨かれそうだ。
木は、太さや長さだけでなく、材質や密度、乾燥具合によっても叩いたときの音色が全然違う。拾ってきた枝を試しに叩きながら、音に耳を澄ます。そして皮をむいたり、切ったりして、音がよりよく響く枝に作り変えていく。最初はやや面倒くさそうだった子どもたちも、音が響きだすので、やる気満々に!
出来上がったのは、即席木琴」。」コ~ン、ポ~ンと想像以上に素敵な音が広がる(コレほんと)。全員で即興のセッションが始まった。「ともとも」が低音でリズムを加えれば、心地よ~いアジアの音楽が、そこに誕生。音階のない音楽隊、バンザイ!