トモオフィス/廃品打楽器協会

キネマ旬報 2005年10月号に山口ともの記事が掲載されました

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時計2005年10月6日(木)

キネマ旬報 2005年10月号に
タイ映画「風の前奏曲」 山口とものタイ、ラナートレッスンレポートが掲載されました。

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▼本文より

「映画を観て興味を持った山口さん」

NHK教育テレビ「ドレミノテレビ」などお茶の間でも御馴染みの打楽器奏者、山口ともさんは、「風の前奏曲」を観て、古式楽器“ラナート”に興味を持ったという。たまたま、夏休みをタイで過ごそうと決めていた山口さん。せっかくだからと、本場タイでラナートのレッスンを受けることを決意。そこで今回、山口さんのレッスンに同行させていただきました。
今回教わったのは、この映画の主人公のモデルとなったソーン師の曾孫にあたるアッサダーウット・サークリック氏(愛称:エー先生)が経営する音楽学校。ご指導いただいたのは、エー先生の弟子にあたるトゥリー先生。実はこのお二人は、劇中の音楽の吹き替え演奏も担当されている凄腕の演奏者だ。

ラナートの鍵盤には数字が打ってあるだけ。数字の”1”直せば「ソ」にあたるので、先生はドレミファに変換して指導してくださった。

今回、3日間という限られた時間の中で、山口さんが練習曲に選んだのは劇中でも使われている『花の都 中国の前奏曲』。主人公のソーンが競演相手のクインクの前で弾く曲だ。

ラナートの楽曲には楽譜がなく、曲には直接教わるしかない。ラナートの鍵盤は同じ音を両手で同時にたたくのが原則だが、微妙な強弱を利かせて連打する打法もあり、楽譜に起こすのは難しいのである。直接指導とは言え、山口さん自身も初めてラナートに触るので、最初は慣れないようだったが、そこは打楽器奏者、最終日の3日目には、かなり慣れた手つきで鍵盤を叩かれていた。

「ラナートの奥深さに魅了される」
クインク役を演じたラナート演奏家・ナロンリット師と、青年時代のソーンを演じたアヌチットさんも応援に駆けつけてくれたが、ナロントット師は「もうここまで演奏できるとは大したもの」と激励、自らバチを持って山口さんにお手本をみせてくれた。

3日間のレッスンを終えて、山口さんはますますラナートに魅了された様子。

「シンプルな鍵盤だけの楽器ですが、その限られた音階を組み合わせていろんな音を作り、表現していくところが非常に魅力的ですね」と語ってくれた。
そう、ラナートは見地味に見えるが、演奏すればするほど奥深い楽器であるようだ。「風の前奏曲」は山口さんと、ラナートの出会いのきっかけになった。そして両者の付き合いは、これから先も続いてゆくに違いない。
(取材/白田麻子)